「ん……」

いや、ん……って言われても……。

リオンは小さい子に“おいで”とするように、私に向かって腕を広げている。

ど、どうしよう……こういう時ってどうするのがベストなんだろう……。

私の代わりに人形でもいれてみる……?

あ、私そんなに大きな人形持ってない……。

「ん……はやく……」

「え?……わっ!」

「んふふ……いい匂い……」

「ちょ、ちょっとっ、リオン⁉︎」

痺れを切らしたリオンに腕を引っ張られ、すっぽりとリオンの腕の中にはまってしまう。

「……ひゃっ、リオン、くすぐったいっ」

それだけでも心臓がうるさいのに、さらにリオンが首筋に顔を埋めてきて変な声が出てしまう。

「んー……すーすー……」

ね、寝ちゃった……。

どうしよう……このままでいいのかな……?