こんな子だったら、リオンの彼女として釣りあ……。

……って、何考えてるの私!

あまりにも自然に進んでしまって、慌てて止める。

恥ずかしい……それに、綾瀬くんはのんちゃんのことが好きなんだから、

他の男の子といるところを想像したら可哀想……っあ。

「のんちゃんのんちゃん、綾瀬くんとライブに行ったら?」

「え?どうしたの、急に」

「綾瀬くん、付いて来てくれそう」

「まあ、それはそうかもしれないけど……舜、絶対に興味ないよ」

チラッと綾瀬くんの方を見て、苦笑いをするのんちゃん。

「聞いてみないとわかんないよ?」

「そうだけど……」

「まあまあ、聞くだけでも聞いてみたら?綾瀬くん、喜ぶと思う。……あっ!もうこんな

時間、私、帰らないと。またね」

「うん。またね」

まだ納得がいってなさそうなのんちゃんだったけど、教室を出る間際に綾瀬くんに話しかけ

ているのが見えて、安心する。