不器用な神野くんの一途な溺愛

ん? さっきの優しい神野くんは幻覚だったかな?

目をこすって確認していると、神野くんに「俺を前にして睡魔に襲われるとは、良い度胸だな?」と派手に勘違いされた。


結局、神野くんの気に入る「バイバイ」になるまで20回ほどリピートした後、解散になる。


でも、その時――


「このクラスに小野宮莉子ちゃんっている?」

「あ、委員長久しぶりです〜、亀井です〜。あの時はお世話になりましたぁ」

「うん、元気そうでなにより亀井さん。

で、莉子ちゃんは?」

「んー? さっき神野くんと一緒に教室出て、それきりですよ〜? 最近妙に仲良いんですよねぇ。あの2人ぃ」

「そうなんだ……へぇ」


私が神野くんに「バイバイ」と連呼していた時、私のクラスに希春先輩が来てくれていたことを、私は知らない。

そして希春先輩の心が、僅かにザワついたことも。


また、