不器用な神野くんの一途な溺愛

「 (喋れないのに、好きになっていいの? いや、そもそも本当に好きなの?) 」


それが、私の気持ち?
今の私の、本当の気持ち?


希春先輩が「おでこ触るね?」と神妙な面持ちで、大きな手を近づける。

思わず仰け反ってしまいそうになる気持ちを、グッと抑えて……

さっき、目隠しが離れていった時の、

あの名残惜しかった気持ちを思い出しながら、先輩の手を受け入れた。


「 (あたたかい、大きな手……) 」


二回も助けられた、希春先輩の手。

「私の好きな人」の手。


「(あ――)」


素直に「私の好きな人」と思ってみると、意外なくらいに……心に引っかかっていたものが、ストンと落ちていった。

心が、今すごく軽くなったのが分かる。

それに、


「 (あたたかくて、心地いい……) 」


先輩が触ってくれているおデコと、そして私の心――二つとも、ポカポカしてあたたかい。

それと同時に、無色だった私の心が、次第に色づき始めているのが分かる。