「なぁ、お前さ」
「っ!」
「委員長のことが好きなんだろ?」
……ん!?
神野くんにいきなり話しかけられて、めちゃくちゃビックリした……。
かと思えば、
突拍子もない話が飛んできた……。
「 (わ、私が……希春先輩を……?) 」
好き――?
「……へ?」
そ、そんなわけないよ……。
だって希春先輩とは、さっき会ったばかりだし……。
好きなんて……うん、違う。
絶対、違う。
だって……。
「 (まともに喋れない私が、誰かを好きになんて……)」
だけど、希春先輩のことを考えると、胸がポカポカするのはどうしてだろう。
希春先輩を目で追ってしまうのは、どうして?
「(もしかして私……。本当に、希春先輩の事が……?)」
手のひらに、じんわりと汗が浮かぶ。熱を帯びた顔が、カッカッと蒸気を吹き出しているのが分かる。
こんな私を見られたら、また何て言われるか分からない――平然を装わなきゃ。
そう思っていた時だった。
私は見てしまう。神野くんの、驚いた表情を――
「 (神野くん……?) 」
私が疑問に思った、その時だった。
神野くんは、心無い一言を私に浴びせた。
それは――
「人形も、恋とかすんだな」