「あのね」と言葉にしたその顔は、真剣な顔だった。
「なんだよ」
「あの橋、見える……?」
小野宮が指をさしたのは、歩いてるともう少しで到達する長い橋だった。
川をまたぐように作られている橋は、歩道と車道とに分かれていて割と大きい。橋の下はというと、今は雨量が少ないのか、河原で水遊びができるくらい、浅く細い川になっていた。
小野宮は、その橋を見て目を細めた。
「何か嫌な事でもあったのか?」
「っ! うん……実はね」
「……」
俺は耳を傾ける。
小野宮が話す準備ができるまでに橋に到着してしまい、橋の上から川を眺めるように、二人横に並んだ。



