可愛くて美人だったが、喋れなかったからこそ今まで男が相手にしなかっただけで、アイツがペラペラ喋れるようになってみろ。あの美貌で、尚且つ、あの美声だぞ?本当は一言だって他の奴らに聞かせたくねぇよ。



「(って、そんな心が狭い事はぜってぇ言わねーけどな……)」



そうだ。「婚約」って言葉に小野宮が即否定をしたのが腹立つが、照れ隠しってことにしといてやる。俺は俺で、まずは周りを固めていくことにするか。



「(まあそれ以前に、片付けないといけない問題があるな)」



半ば浮かれている俺の頭に「学校」という二文字がよぎる。一気に頭が冷えた気がした。


月曜からの「学校」のことを想像する――