不器用な神野くんの一途な溺愛

「おい、スルーすんな」

「へ?」



神野くんを追い抜いた瞬間、引き戻される。

そして神野くんに思い切り抱きしめられた後、さっきとは違う、優しいキスを一度だけ私にした。



「ん……か、神野くん、キス多いよ……」

「はぁ?お前が俺にキス禁止って言った日からずっと我慢してたんだから、これくらい我慢しろよ」

「が、我慢、なんて……」



すると何を勘違いしたのか「キス嫌じゃねーのかよ?やらしい奴だなぁ」とニヤニヤ笑う神野くん。

「もう!」膨らんだ私の頬を、神野くんがムギュッと掴んだ。


そして――



「これから毎日、覚悟しとけよ」



まるで脅迫めいた言葉……なのに、私の心臓はドキドキと高鳴っていて、思わず服をキュっと掴んだ。