不器用な神野くんの一途な溺愛

「兄貴か?」

「き、希春先輩?希春先輩が、どうしたの?」

「兄貴とお前……付き合うことにしたのかよ?」

「え、えぇ……!?」



な、なんでそういうことになるの……っ!?

また神野くんに「待った」をかけたいけど、神野くんは積もり積もった事を話したいのか、私の言葉を遮ってどんどん話を進める。



「兄貴が最近機嫌がいいのも、兄貴がお前に会いに教室に行くのも、二人が付き合うことにしたからじゃねーのかよ」

「え、そ、それは、」

「だから俺のことは避けてきたんじゃねーのか?もし兄貴と付き合ったなら、お前のことが好きっていう俺とは、会いたくねーもんな」

「っ!」



神野くんの止まらない口に、すごく腹が立った。

怒りで手が震えるのがわかる。

元凶は私だ。私が神野くんを避けてきたから、神野くんはこんな勘違いをしてる。

そんな自分に、神野くん以上に腹が立っている。