「莉子、こっちに来て座りなさい。あなたは神野くんの隣」
「あ、うん……」
神野くんの隣まで移動する。そこで改めて、今日の神野くんをじっくりと見た。
スラッとした長い足がよくわかる黒のパンツ。上は白のシャツ。いつもの制服と似ているようで、でも違う。
神野くんがすごく大人っぽく見えた。
「(家では、そういう服着てるんだな……なんか私がすごく、幼く見せちゃうな……)」
なんだか恥ずかしくなって、座る前に「私ちょっと」と言って部屋に戻ろうとした。今ならまだ間に合うよね?着替えたいよ……。
だけど――
パシッ
神野君に、手を握られる。
そして皆がいる前で、私をグイッと……いつもより弱い力で引き寄せた。
だけど、抱きしめない。
空いている椅子に、ゆっくりと座らせてくれた。



