不器用な神野くんの一途な溺愛

お母さんが、無謀にも神野くんに話を振る。

神野くんはすでにキッチンテーブルに着席していて、お母さんがせっせと料理を継ぎ分けている所だった。

料理から目を離して、私を見る神野くん。上から下まで、じっくりとゆっくりとみられて……そしてニコッと笑った。


ん?笑った?



「本当ですね、色白の莉子さんに、深い青色がよく似合ってます」

「まあ神野くんったら!ほめ上手ね」

「いえいえ、本心を言っただけですよ」

「……」



誰?

というのが正直な感想だけど、目の前にいるのは確かに神野くんで……そしてニコニコ笑って穏やかな話し方をしているのも、やっぱり神野くんで……



「(猫かぶってる……ものすごい、猫かぶってる……!)」



すると同じことを思ったのか、おばあちゃんも「やれやれ」と私の横でため息をついた。