不器用な神野くんの一途な溺愛

するとお母さんはニコッとして「決まってるでしょ」と笑った。

いつもの笑顔じゃない、これは外用の笑顔……この時点で、返ってくる答えは決まってる……よね。



「莉子の恩人に振る舞う料理よ~もう、とぼけちゃって!

それより課題終わったの?なら手伝ってほしいのよ~ちょっと料理を作りすぎちゃって」

「ふ、フルコース……?」



ちょっと、という料理の数ではない気がする……。キッチンテーブルにも、リビングテーブルにも、おかずというおかずが、ひしめき合って並んでいる。

朝ごはんを食べていた時は、料理をする様子何て微塵も感じなかったのに……!どうしよう、絶対怒られるよ……っ!



「(で、でも、言わなきゃ……っ)」



意を決してお母さんに「実はね」と打ち明ける。お母さんはフライパンから目が離せないらしくて「どうしたの?」と急ぎ気味で答えた。