不器用な神野くんの一途な溺愛

クラスの数人の女子達と裁縫をしながら、神野くんの話をする。

裁縫といっても、大きな白い布の端と端を縫い合わせているだけなんだけど……それが何枚もある。

残念ながらこの学校にミシンはないらしく、みんなと協力しながら、手縫いでせっせと縫っていく。


そんな中で話題にのぼる、神野くんの帰還説。


私は副委員長から下駄箱で「期間は二週間」と聞いたけど、皆は詳しい内容を知らないのかな……?



「神野くんは、何も言わずに、行っちゃったの?」



思い切って尋ねると、みんな「ウンウン」と頷いた。



「確か小野宮さんは風邪で休みだったんだよね」

「神野くんね、朝来たらすぐに机と椅子を持って出て行っちゃったんだよ~。皆にどうしたの?って聞かれても”ちょっと行ってくる”だけ言ってね」

「(ちょっと行ってくるって……)」