不器用な神野くんの一途な溺愛



「はぁ。風呂……入るか」



小野宮が無事に家に帰ってんなら安心だ。俺も今日はすげー汗かいたし、早く風呂に入りてぇ。


自分の部屋を出た時、兄貴と廊下ですれ違う。



「あれ、斗真帰ってたの?」

「兄貴こそ、今帰りかよ」

「うん、ちょっと用事があってね」

「ふーん」



いつもは俺に「二年の授業はどう?」とかいろいろ聞くくせに、今日はえらい静かだな。まあ、昼に副委員長が告白した件もあるし、兄貴なりに何か考えてんのかもしんねぇな。



「(ま、俺にはどーでもいいけど)」

「そうだ、今日莉子ちゃんと会ったよ」

「は?どこで、いつ?」



途端にどうでもよくない話題を振られて、つい聞き返してしまった。

瞬間、兄貴の顔が二ヤ~と緩むのが分かる。


くそ、めんどくせぇ……。