不器用な神野くんの一途な溺愛

「き、」



思わず叫びそうになった時、大きな手が私の口を塞いだ。



「(なに?誰……っ!?)」



恐怖から目を開けられない。

両手を、体を抱きしめるように自身に回した。



だけど――



「ごめん莉子ちゃん、俺だよ。希春」

「へ……」



目を開けると、本当に希春先輩がいた。



「いきなりごめんね。先生にここに提出物を持ってくるように言われててね。

でも、いきなり斗真の大きな声が聞こえたから様子を伺ってたら、必死な顔で莉子ちゃんが走って来て……助けた方がいいのなって思って引っ張っちゃった。

ごめんね、迷惑じゃなかった?」

「い、いえ……」



むしろ、本当に助かったので、深々と頭を下げる。