不器用な神野くんの一途な溺愛

「たくさんって……」



じゃあアレかよ。「ちょっとなら良いです」ってことかよ。

チラッと小野宮を見ると、言いたかった事の半分も言えなかったような――

そんな後悔の表情を浮かべている。



「(やっぱりな)」



小野宮を更に引っ張り、再び――前髪同士が当たる距離まで近づく。

小野宮はまた赤面するものの、急いで唇を手でガードした。もちろん気に入らねぇ。


だからガブッと、

あまり歯を立てないように、ガードしている手の指先を、数本まとめて噛む。



「あ」と、小野宮が驚きと少しの痛みに顔を歪めた後、畳み掛けるように問い詰めた。



「キスするの、一回なら許すのか?たくさんしなけりゃいんだもんな?」

「ち、ちが……っ」

「じゃあハッキリ言え。

好きでもない人からキスされるのは嫌だからキスしないでって、ちゃんと俺に伝えろ」