*神野斗真*





「相変わらずだせーな、小野宮」



扉を入ってすぐ横に控えていた俺に、全く気づかなかった小野宮。

こんなチョロくていいのかよ……。若干不安に思いながら、小野宮を見る。



「(久しぶりに、小野宮を見たな)」



おもしれーから狼狽える小野宮をもうちょい見よーと思ったが、久しぶりに会えた高揚感で、我慢ならなくなった。


引き寄せて、抱きしめる。


相変わらず細くてちっせー体だな。

でも、風邪はもう治ったんだろ?なんたって、ここまで走ってきたんだもんな。



ドア越しに、小野宮の息遣いが聞こえていた。

あんなに息切れるくらい走れりゃ、健康そのものだろ。



「副委員長じゃなくて俺でビックリしたか?」



小野宮を少し離して、その顔を見る。



「は?」



その時、ビックリしたのは俺の方だった。