不器用な神野くんの一途な溺愛

「さっきの話、ウソなんだよ。今日は元々、俺が当番だったんだ」

「え?」

「でも、やっぱり紛らわしいから……来月からは分かりやすいように作るね!」


だから、ごめんね――


希春先輩は、また私の頭を撫でた。何度も、何度も……。まるで、頭と手がくっついて離れないように。

離れがたいように。


「 (希春先輩?) 」


だけど希春先輩は手を離すと「じゃあまたね」と三年の下駄箱に行ってしまう。


「……」


希春先輩の後ろ姿から、なかなか目が離せなくて、その場に留まる。


希春先輩、何か変だったな。

何かあった?

でも、どこも調子悪そうじゃないし……。


「(こういう時、あの副委員長さんなら何か分かるのかな……)」


希春先輩といつも一緒にいる副委員長のことを思い出す。勘が鋭そうで、ビシバシ物を言う、カッコイイ人。