不器用な神野くんの一途な溺愛

すると希春先輩はそんな私を知ってか知らずか、「もう一個聞きたいことがあるんだ」と話を進める。


「もう、いっこ……?」

「うん。今日の交通委員の名簿のこと。

“ 神野”って、本当は斗真のことだけど、俺が斗真に嘘ついて今日、俺がここに来たって言ったら……困る?」

「……え?」


希春先輩が?
な、なんで……?

斗真くんに嘘ついてまで、ここに来たかったって事?


「 (どうして?) 」


分からなくて、頭の中がこんがらがって、上手く言葉が出てこない。


そんな私を見た希春先輩が「困ってるね」と、また眉を下げて笑った。

その顔は、先輩の方がよほど困ってる顔に見えて……

私はひどく、申し訳ないことをしている気になった。