不器用な神野くんの一途な溺愛

「 (でも希春先輩が何も言わないってことは、気にしてないってことだよね?) 」


それなら安心。

キスのことを「本当なの?」って聞かれても困るもん……。

すると希春先輩は「そういえば」と言って、私の方を見る。


「斗真とキスした?って聞いたら、困る?」

「……え」


それは、いつもニコニコした希春先輩ではなくて、真剣な眼差しをした希春先輩。

纏ってる雰囲気が、いつもと違っていた。


一方の私は、突然の質問に固まってしまう。


「え……と……」

「否定しないってことは、本当なのかな?ごめんね、踏み込んだ質問しちゃって」

「い、いえ……」

「前も言ったけど、アイツに何かされたり泣かされたら、いつでも俺に言ってね。

斗真のヤンチャぶりは昔からだから……兄貴として、ちゃんと叱るからね」


そう言いながら、私の頭を撫でる。

温かな体温に、なぜだか少しだけ、泣きそうになった。