不器用な神野くんの一途な溺愛

「君は可愛いんだから、そんな格好しちゃダメ! 男子に食べられるよ!」

「へ……?」


私は可愛くもないし、ただ床に座っているだけなんだけど……。

な、何を想像したんだろう?


「 (希春先輩って、変な人……) 」


自分のことを棚にあげといて何を――と言われそうだけど、不思議と希春先輩は怖くない。


亀井さんの前でも、神野くんの前でも、すごく怖かった。

喋れない自分が嫌で、これ以上嫌われるのが怖くて……。


でも――


希春先輩といると、全然怖くない。

嫌われないようにしなきゃ、ちゃんと話さなきゃって、あんまり思わなくて……体から自然に力が抜けていってるみたい。


それに、私にこんなに話しかけてくれた人はいなかった。

希春先輩は特別かも……?

だって、誰かと話す時に感じる「いつもの壁」が存在しないもん。


会話が楽しいなんて、本当に久しぶりだよ――