不器用な神野くんの一途な溺愛

「小野宮さん、愛されてるねっ」


ウインクして私から離れていく中島くんを、引き止めて全て否定したかったけど……

会話をする心の準備が間に合わなくて、誤解をそのままにしてしまった。

臨機応変に動けない「口」が、こういう時はすごく恨めしい……。


だから、心の中で否定しておく。


「 (私は神野くんの物じゃないし、他に好きな人いるんだから……っ!) 」


これをいつか中島くんに直接言えるように、神野くんのいない間、頑張ろうと誓った。


そして、手紙には何て書いてあったかと言うと……


『さすがに予習復習しねーとついていけねーから、俺が戻るまで特訓はオアズケ』


それだけ。

神野くんらしくない、流れるようなきれいな字で書かれていた。


「 (お、オアズケって……私がすごく楽しみにしてるみたいな言い方……っ) 」


実際、特訓は中止と聞いて落胆したけど……それは特訓が出来なくて残念って思っただけで……

別に神野くんと会えなくて残念とは、思ってない、はず……。