不器用な神野くんの一途な溺愛

「え……」

「なんか、そんな表情をしてるように見えたから。違ったらごめんなさいね」

「い、いえ……」


そこで予鈴がなる。

すると副委員長は「じゃあね」と言って、自分の下駄箱に向かった。


残された私は、まだ突っ立ったままで……


「か、んの……く、ん……二年、せ……」


副委員長が言っていた言葉を、少しだけ復唱する。

なんだか、急接近した神野くんとの距離が、とっても遠くなったように感じた。


「あと、なん、にち……」


指を折って数える。

そして一気に重たくなった足を無理やり動かして、神野くんのいない教室に戻った。



そして、一限目がやってくる。

二限目も、三限目も――神野くんのいない教室には、いつもの時間が流れている。


「 (神野くん……元気かなぁ) 」


まるで遠くに引越しした友達を思うかのように、神野くんのことを考えてしまう。

同じ学校にいるのに、
前まで同じ教室で勉強していたのに、

どうして離れ離れなんだろう……。