不器用な神野くんの一途な溺愛

「お……の、や……」

「ん? おのやさん?」

「や、あ……あの……」

「いいよ、ゆっくりで」

「……っ」


ダメ――口が上手く回らない。

緊張で頭がフワフワしてきて、自分が何を喋っているのか……。分からなくなってきた。


「 (やっぱり言えないのかな……っ) 」


怖くなって、ギュッと目を閉じる。

カタカタと震える両手は、せめて見られないようにと、自分の背中へ回した。

すると――


「なんか俺、君を襲ってるみたいだね……」

「 (……へ?) 」


私よりも顔を赤くした希春先輩。

両手で自分の顔を隠して「ダメだよ」と、何やら照れくさそうに言った。