不器用な神野くんの一途な溺愛


「希春(キハル)だよ。春を希望するって書いて、希春。

って言っても、俺は冬生まれで、別に春に生まれたとかではないんだけどね! あははー」

「……」

「あれ?」


あまりによく喋る先輩に、少しビックリした。

だけど、何だか可笑しくなって、


「……ふふっ」


自然と、笑いが零れる。

すると、いつの間にか私の隣に座っていた希春先輩の指が、私に向く。


「あ、笑った!」

「!」

「ずっと無表情だから、笑わないのかと思ったよ。もっと笑ったら? 俺も嬉しいし」

「え……あ、の……」


戸惑う私に、希春先輩は自分の頬に人差し指をあてる。そしてほっぺをぐにゅりと持ち上げ、


「ほら、ニコー」


こんな無茶ブリ。