不器用な神野くんの一途な溺愛


「俺に移して、早く良くなれ」


もう一度キスをする。小野宮の反応がない、静かなキスだ。

つまんねーな、小野宮。顔を真っ赤にしろよ。今にも泣きそうな目で俺を見ろっての。


「これ以上は“ オアズケ”だな」


ただ唇に当たるだけのキスじゃ、風邪だって俺に移れねーよなと思いつつも、

いや、でも、これ以上はな.......と思いとどまる。


さっきは薬を喉に押し込むために、ちょっと舌を使っただけだしな.......ノーカンだろ。

ギリギリの所で踏みとどまった時に、先生が戻ってくる。

「おまたせー!」という声量は相変わらず大きく、小野宮はついに、その声で起きることとなる。





「こ、こ.......」

「おー。チャイム押せるか?」

「うん.......」


あれから小野宮をおんぶして、小野宮の家まで移動した。

学校から家までは歩いて十分と聞いたけど、小野宮と話しながらだと体感三分くらいだ。