*神野斗真*





ガラッ



「先生、風邪薬ちょーだい」

「あ、神野くん! 小野宮さん知らない?.......って小野宮さん! 帰ってきたのねぇ! もう、どこ行ってたの〜!?」

「先生、ちょっと静かにできねぇ.......?」


ちっせー小野宮の体を、空いているベッドに降ろす。

幸い保健室の先生がいてくれたから助かった。「ちょっと抜けてる保健室の先生」という噂が無ければ、もっと安心出来たろーがな。


「スー、スー.......」

「(ほっ)」


小野宮は移動中に寝たらしい。

浅い呼吸を何度も繰り返している。熱のせいか、息がかなりあったけぇ。


「小野宮さん、薬飲んでないの? ここに置いておいたんだけど」

「飲んでねーつってたぞ」

「それはいけないわねぇ。でも、わざわざ起こすのも可哀想だし.......」

「.......それより、小野宮さっき抜け出してたぞ。先生どこ行ってたんだよ」


聞くと、先生は「そうそう!」と手をパンっと叩く。病人が寝てるってのに、結構なボリュームだ。

察するに、この先生がうるさくて抜けて来たんじゃねーのか?小野宮。