不器用な神野くんの一途な溺愛

「離せ。俺が行く」

「斗真.......いいよ、俺さっきも莉子ちゃん抱き上げてたから」

「.......なら余計だろ。交代だ、俺がする」


希春先輩が私の腕を触った時.......神野くんが先輩の腕を掴んだ。

互いに真剣な声色で、どちらが私を保健室に運ぶかで揉めている。


これ、現実なのかな.......?


夢見心地でフワフワする。調子が悪くてしんどいのに、なぜだか幸せな気分になった。


「 (希春先輩が“ じゃあ斗真お願いね”って言わない事が.......嬉しい) 」


大切に扱われてるような、そんな気がした。

2人が拮抗状態に陥ったたころで、副委員長が口を開く。


「じゃあ弟くん、小野宮さんを運んで行ってあげて」

「お、分かってんじゃねーか」

「副委員長、裏切ったね.......」


両者が正反対の反応をして見せた所で、今度は、副委員長が希春先輩の腕を掴んだ。