もう離れようと、何度頭を動かそうとしても、傘をさしたまま器用に私の頬に手を添えている神野くんから、逃げられない。


結果、何度も、何度も.......


離れそうになる唇をくっつけられて、私は完璧にショートしてしまったのだった。


結局――


「あー! おねーちゃんとおにーちゃん、チューしてるよー!」


登校していた小学生たちに見つかってしまい、私たちは逃げるように雨の中を走る。

その時に、


「遅せぇ。手ぇ出せ」

「え.......あっ!」


走ったせいなのか、手を繋いだせいなのか、胸は高鳴っていくばかりで.......

私の中のドキドキは、一向に消える気配がなかった――