そして、年末に戸山邸が完成した。
バタバタと引っ越しを済ませ、年越しは新しいお家で過ごした。

うちのマンションも買い手がついた。
お母さんの抗がん治療も続いている。

結納後は一郎くんもうちのマンションに居てくれたし、抗がん剤を打った日は一郎くんのお母さんも2、3日泊まり込みで看病してくれた。
そして一郎くんのお母さんは、会社を辞めて昼間1人でいるうちのお母さんと刺繍をしたり、体調を心配して頻繁にマンションへきてくれたし、
戸山邸に引っ越しの準備も手伝っていただいた。

そして私は、毎日一郎くんがマンションに居てくれるだけで安心できた。
だから私の精神的負担や不安な気持ちが軽くなり、心強かった。
戸山家には本当に支えてもらい有難い。
私もお嫁さんになったらご両親や一郎くん、そしてうちのお母さんを大切にしようと思う。

新築で賑やかな年末年始だった。