みんなで顔を合わせる。
一郎のお母さんが『私は、結婚式は来年でいいと思う。住居はここを改装して景子さんも住めるようにしたらどうかしら…』

するとお父さんが
『そうだなぁ。爺さんと婆さんの部屋をリフォームして、玄関を別にしてプライベートを分けるようにしたらどうだろう。』

すると一郎が
『でも中はドアで繋げよう。ゆくゆくは孫たちが行ったり来たりできるし』

私とお母さんが戸惑っていると……

一郎のお父さんが『寺田さん、これからは一郎と沙緒里さんの代になるから、年寄りは孫の成長を楽しみに暮らしたいと思いませんか?
寺田さん、年寄りは年寄り同士で助け合いながら暮らしましょうよ』

一郎のお母さんも
『景子さん、そうしましょうよ! お母さんが側にいれば沙緒里ちゃんも安心だと思うし』

『お義母さん!どうかみんなで暮しましょう!』と一郎からもプッシュされたお母さん。

『こんな抗がん治療している私が一緒だとご迷惑じゃあ…』

『寺田さん、その考えは違うと思いますよ。
これからはここにいるみんなが家族なんですから、家族同士助けたり、助けられたりは当たり前じゃあないですか。ね。』

『沙緒里、どうしようか…私はお荷物じゃあ…』

『景子さん! あなたがお荷物なら私は粗大ゴミだわ〜。 ハハハ』

と一郎のご両親の温かい心遣いにお母さんも、
『では、ありがたく戸山さんのお言葉に甘えさせていただきます。
娘共ども宜しくお願い致します』と頭を下げた。