「ハハハ。」と笑い出した私に

「何、呑気に笑ってんだよ!寺田さん。」

「だって〜戸山くんが彼を客観的に分析してくれたからスッキリしたんだもん。ハハハ」

「笑えないんだよコッチは…」

「え? 何? なんて言ったの?」

「何でもない! 行くぞ!」

「改めて しゅっぱ〜つ!」

一郎はイライラしていたが、沙緒里はスッキリした様子で落ち着いていた。

敦志とは別れよう。
戸山くんじゃあないけど、私から捨ててやる!

「ねぇ、戸山くん〜」

「何!」

「どうやって彼を捨てたらいいかなぁ」

「この際、『運命の人が現れて結婚するの〜』とか言ってやれ!」

「あ、なるほど…そうする!」

「何でオレがそこまで教えないといけないんだよ〜」

「だって〜戸山くんには何でも悩みを話せるんだもん… ごめんね。」

「だもん!じゃあネェよ。」

「あの…さっきから言葉が荒いですよ」

「しょうがないだろ!好きな女が変なヤツに傷つけられてさ〜! あっ…」

「ええ〜! ちょっと車停めて!!」

また一郎は路肩に車を停めた。