土曜日

敦志と会う約束をした沙緒里はいつもの駅で待っていた。
改札口からこちらへ急ぎ足で向かって来た敦志に気付き、手を振った沙緒里。

高身長でイケメンオーラを放っている敦志の事をチラチラと見ている女性が多い。

敦志も私に手をあげてくれる。
敦志を見ていた女性たちは私を見てくる。
もうこの2年間で慣れたが、敦志には不釣り合いな容姿は自分でもわかっているつもり。

合コン後、私にアプローチしてきた敦志に『なぜ私なのか』って質問したら、
『沙緒里ちゃんは可愛いのに看護師さんでしっかりとした職業で自立してるし、俺が病気したら看病もしてもらえるから安心でしょう?!』って言ってくれた。

私を1人の働く女性として認めてくれた敦志の言葉に嬉しくて付き合う事にした。
時々、敦志の部屋へ行っておウチデートの時も料理を褒めてくれる。
一緒にお掃除などの家事もお手伝いすると本当に喜んでくれる敦志。
この人と結婚するのかなぁ…と最近は敦志との結婚後の事も漠然と考えるようになった。

転勤族の敦志。
転勤になっても一緒について行きたいし、看護師なら何処へ行っても仕事はあるだろう。
結婚したら、夜勤のないクリニックで働けばいいし…などと妄想している私。