君に告ぐ

僕は君が嫌いであった。
君は実に適当で、空気を読まない。
それでいて、君は他の誰よりも人を知りたがり、考え、いつもどんなやつにも平等であろうとした。
そんな君が、僕は不思議であり、分からず嫌いであった。
いつだったか、質問した僕にこんな話をした。



“今の私”が、“私”であるのは私の中で過去に犯した罪の贖罪であると…



僕はそのとき、君の言っていることが分からなかった。


今なら分かるような気がして、聞こうと思ったその矢先、君は行ってしまった。

何故、君は行ってしまったのか…
また会えたそのときには、君はあいも変わらず好きなことをしながら、こっちの気も知らないで僕にニコッと笑いかけるんだろうな。
きっと…
だから、僕は君に告ぐ。


今はただ安らかに眠れ