嬉しい! 嬉しいです! こんなこと言われたらたまらないじゃありませんか! 仮に自分がすでに食事を終えていたとしてももう一食追加で食べちゃいますよ!


「良かった……」


 旦那様はそう言って、わたくしの頭をそっと撫でてくださいます。実際のところ、なにが良かったのかはよくわかりません。だけど、わたくしはこの状況が嬉しいので問いただそうとは思いません。自分に都合の良いように解釈させていただきます。


「わたくしも、お会いできて良かったです。午前中、ずっと旦那様のことを考えながら仕事をしていたんですよ?」


 なんて、これじゃ不真面目だと思われちゃうでしょうか? だけど、本当のことだから仕方がありません。

 旦那様がふっと目元を和らげます。一瞬だけ『嫌われたんじゃ?』なんて焦ったものの、杞憂でした。