「……そうだな。クラルテはそういう子だよな」

「えへへ」


 クラルテは笑いながら、俺の腕に抱きついてくる。


「ハルト様、好きです! 大好き!」


 ああ、君はこんなにも簡単に、俺の心を大きく揺さぶるから。


「今夜は一緒のベッドで眠ってもいい?」


 遠慮とか手加減とか、色々とどうでもよくなってしまう。

 クラルテはゆでダコみたいに真っ赤になったあと、上目遣いに俺のことを見上げてきた。潤んだ瞳。……今そこに映っているのは俺だけ。


「お手柔らかにお願いします」


 ……クラルテ、それは無理だよ。
 心のなかで返事をして、俺は小さく息をついた。