一緒に眠るって! つまり、そういうことですよね? ただの添い寝じゃありませんよね!?

 ついこの間まで順序がどうとか色々、諸々おっしゃっていたじゃありませんか! 押しかけた当初、わたくしが冗談(半分本気)で『一緒に寝ましょ!』って言ったら、真っ赤に頬を染めていた純情なハルト様はどこに行っちゃったんですか!?


 パニックのあまりなんにも口にできないわたくしを見下ろしつつ、ハルト様は頬に口づけます。


「――嫌ならい」

「嫌じゃないです!」


 あっ、しまった。
 ずるい。ずるいです。卑怯です。気づいたら負けてました!

 だって、嫌だなんて言えるわけがないじゃありませんか! 相手はハルト様ですよ! わたくしの大好きな人ですよ! そもそも嫌じゃありませんし。戸惑ってるだけですし。色々と悔しくはありますけれども……。


「そうか」


 ハルト様がそう言ってふにゃりと笑いました。ダメです、可愛い! ものすごく可愛い笑顔です! 完全に心臓を打ち抜たれたわたくしは、ハルト様に抱きつきます。今、身体に力が入りません。骨抜き状態ってやつですね。


(あーーあ、わたくしの完敗です……)


 勝ちたかったのにな。
 すっごく悔しいのに――とっても嬉しそうなハルト様を見つめながら、わたくしは思わず笑ってしまったのでした。