「ねえ。皐月に話があるんだけど。」

あずみの改まった顔に、私も真面目な口調になった。

「なあに?何でも言って?」

「アタシも五代君とサシで話してみたいんだけど、いいかな?お願い!」

「え?・・・うん。全然いいけど。どうしたの?」

まさか・・・あずみも廉が好きで・・・

「もしかして廉に告白したい・・・とか?」

「んーまあ告白と言えば告白かな?でも付き合って欲しいとかじゃないよ?」

私はあずみにだけは隠し事してはならないと思い、正直に打ち明けた。

「あのね、あずみ・・・私、実は廉と・・その・・・」

「付き合ってるんデショ?」

あずみがあっけらかんと言ったので、私は目を丸くした。

「どうして・・・?」

「アタシは皐月のことずっと近くで見て来たんだよ?それくらいわかる。」

「あずみ・・・」

「だから五代君に皐月のことよろしくって言いたいの。」

「うん。わかった。廉に話をつけておくね。」

義弟で恋人である廉と親友のあずみ。

私の一番近くにいるふたりなのに、今まで交わることがなかったのは何故だろう?

多少の不安はあるけれど、きっとふたり仲良くなれるに違いない。

私は廉に、放課後屋上で待っているから、来て欲しいとLINEした。