【明愛side】
「久しぶり、潤羽、明愛。」
突然現れた祐希と祐希の友達らしき人たち。
祐希はどこか不気味な笑みを浮かべて私と潤羽、そして亜留を見つめる。
「そいつ誰?」
亜留と目が合うと目を細めて中学の時の祐希の優しい声とは違い、低く掠れた声が耳に届いた。
「ゆ、祐希、久しぶり!!この人は、めいの彼氏の亜留だよ」
「ふぅん、さっき遠くから見えたけど、めっちゃ楽しそうだったね」
「ご、ごめんっ」
なにかに怯えたように潤羽が謝る。
「あはは、久しぶりに潤羽見たから思わず声かけたら変な男といるとはねー」
「違う!この人はほんとにめいの彼氏だって!」
いつも落ち着いてる潤羽にしては珍しい慌てぶり。
祐希ってこんな人だっけ…?
久しぶりに会ったからなのか、私の知ってる祐希じゃない、とっさに頭に浮かんだ。
「祐希…?」
私が名前を呼ぶと祐希は潤羽から目を逸らして私に目を向ける。
「久しぶりだねぇ、明愛。俺じゃない彼氏出来たんだね」
「はっ…?」
祐希の言葉に亜留が困惑した声を上げる。
「何言ってるの…?」
「そっか、忘れちゃったのか」
「あ…あ…」
いきなり激しい頭痛に襲われその場にうずくまる。
「おいっ!明愛、大丈夫か!?」
「め、めい?どうしたの大丈夫?」
亜留と潤羽が私のそばに駆け寄って背中をさする。
「だい、じょうぶ…うっ…うぅ、はぁっ……」
大丈夫なはずなのに何故か上手く息ができず、意識が朦朧とする。
「明愛!めい……」
途中で亜留の声が途切れ目線を上に向けると不気味に笑う祐希の顔。
「ゆう…き……」
【亜留side】
バタッ…。
「明愛!!」
祐希の言葉で何かを受けた明愛が急に倒れる。
必死に声を掛けても反応はなく、仰向けに明愛を起こすが顔色は悪く、汗もかいている。
「潤羽!救急車よべ!!」
「う、うん!!」
隣で明愛を支えていた潤羽に救急車を呼んでもらい、その光景をずっと見ている祐希を睨むが、祐希はそれにひるむことなく不敵な笑みを浮かべて後ろにいた男二人を連れてショッピングモールを出ていく。
なんなんだアイツは…。
数分で来た救急車に明愛が運ばれることになり、俺と潤羽は同行。
「めい…」
俺の隣で明愛の手を握りしめながら涙を流している潤羽に心が痛む。
「なぁ、祐希と明愛はどういう関係なんだ?」
本当は聞きたくないのに静かに潤羽に尋ねる。
すると潤羽は目を拭ってから口を開いた。
「めいと祐希は、元恋人だったの…」
「は…?」
明愛からは聞いたことの無い話だった。
確かに俺は高校に入学する前はこの街から遠く離れた地域に居た。
でも確かに俺が告白したあの時、明愛は俺だけを想ってくれていたと聞いた。
「でも、明愛は中学二年になる頃にトラックとの事故で1部の記憶を忘れちゃったみたいで、その時付き合ってたのが祐希だったの。それから一ヶ月後に一命は取り留めたけど、めいは祐希と付き合ってた記憶を忘れちゃったみたいで。嘘みたいだよね…。」
そこまで話した潤羽の目には涙が溢れていた。
それが本当の話だとしたらなんで今、潤羽と祐希は付き合っているのだろうか…。
そんな疑問が浮かんだがもう潤羽には言わなかった。いや、言えなかった。
「亜留お願い、このことはめいには内緒にして…」
「…うん」
涙を流す潤羽の頭を撫でる。
恋心があるとかそういうのはないけど、友達を大切に思って泣いている潤羽に胸が締め付けられたから。
潤羽が泣き止むまでずっと隣にいた。
そばらくすると、潤羽は泣き止んで家に帰った。
それから数時間して病室のドアが勢いよく開いた。
「亜留くん!」
慌てた様子で病室の戸を開けて入ってきた明愛のお母さん。
おばさんは汗と涙で顔がぐちゃぐちゃになりながらも横になっている明愛に抱きついた。
その光景に胸が苦しくなる。
医者からは軽い呼吸困難で簡単に言えば、今は気絶の状態ということ。
一時的に意識は取り戻すと医師はいっていたけど、1週間は様子見で入院するそうだ。
「明愛…」
寂しそうに明愛の髪をそっと撫でるおばさんの横に座る。
病室のベットで酸素マスクをして目を瞑っている明愛の名前をそっと呼び明愛の手を握りしめる。
どれだけ経っただろうか。
さっきまで見えていた夕日も見えなくなり、あたりは真っ暗。
おばさんは疲れて寝てしまっていて、おばさんの頬には微かに泣き跡がある。
一人娘が倒れて、心配でたまらなかったのだろう。
「んん…?」
ベットに横になる明愛が目をゆっくりと開いた。
上半身をゆっくり起こす明愛は軽く目を擦り、まだ寝ているおばさんを見つめた。
「お母さん…亜留。ここは?」
「病院。大丈夫か?」
「大丈夫だよ。」
俺への気遣いだろうか、明愛はそっと笑顔を作った。
でも明愛の手は震えていて今にも泣きそうな瞳だ。
しばらくの沈黙の後、明愛が口を開いた。
「ねぇ、亜留?」
「ん?どうした?」
視線はずっと下に向いていた明愛は顔を上げて俺をまっすぐ見つめた。
少し無言になったあとで明愛は口を開いた。
「亜留に謝らなきゃいけないことがあるの…」
「聞くよ」
明愛が俺を見るみたいに俺も明愛をまっすぐに見つめた。
【明愛side】
中学生のころ、私は今の潤羽の彼氏と付き合っていた過去があった。
だけど私は、交通事後でちょっとした記憶喪失になってしまったみたいで、祐希と付き合ってた頃の記憶だけがなくなってしまったらしい。
私が事故から一か月後の日、目が覚めるとそこには涙う浮かべた潤羽が全部話してくれた。
ただし、私が祐希と付き合ってた記憶だけ何も触れずに。
潤羽は祐希が好きだったから仕方ないことだと思う。
この話は、中学の頃の同級生に聞いたことだから本当なのかはわからない。
確かに私は、交通事故にあったけど、どうしても祐希のことが思い出せない。
だけど、なんで今私がこのことを知っているかと言えば、祐希が放った一言。
『俺じゃない彼氏』
この一言ですべてがフラッシュバックしてきたんだ。
あの事故の前、その日は祐希とデートしてカフェで話してるとき電話があってカフェの外に出た。
電話に出ようとしたとき、いきなり私の耳にクラクションの音が響いた。
気が付くと私は横たわっていて、大きなトラックと不気味な笑みを浮かべる祐希の顔が視界に入った。
それから私は病院に運ばれて病室で目が覚めた。
私は軽い記憶喪失みたいで、祐希と付き合う前の記憶のまま止まってるみたい。
でもあの日見た祐希の顔、口元は笑っていたけど、目には光が入っていなかったことを私は気味が悪くて仕方ない。
亜留にすべて話し終わると私の目から涙があふれていた。
亜留は何も言わず私を抱きしめてくれた。
「ありがとう…話してくれて…。」
そう、耳元で言ってくれた亜留の言葉に再び涙があふれた。
ぎゅっと強く、強く抱きしめてくれた。
「俺が明愛を守るから…。もう無理すんな」
「うん…。」
大好き、ただ大好きでずっとこうしていたい。
時間なんて止まれって心から願った。
「久しぶり、潤羽、明愛。」
突然現れた祐希と祐希の友達らしき人たち。
祐希はどこか不気味な笑みを浮かべて私と潤羽、そして亜留を見つめる。
「そいつ誰?」
亜留と目が合うと目を細めて中学の時の祐希の優しい声とは違い、低く掠れた声が耳に届いた。
「ゆ、祐希、久しぶり!!この人は、めいの彼氏の亜留だよ」
「ふぅん、さっき遠くから見えたけど、めっちゃ楽しそうだったね」
「ご、ごめんっ」
なにかに怯えたように潤羽が謝る。
「あはは、久しぶりに潤羽見たから思わず声かけたら変な男といるとはねー」
「違う!この人はほんとにめいの彼氏だって!」
いつも落ち着いてる潤羽にしては珍しい慌てぶり。
祐希ってこんな人だっけ…?
久しぶりに会ったからなのか、私の知ってる祐希じゃない、とっさに頭に浮かんだ。
「祐希…?」
私が名前を呼ぶと祐希は潤羽から目を逸らして私に目を向ける。
「久しぶりだねぇ、明愛。俺じゃない彼氏出来たんだね」
「はっ…?」
祐希の言葉に亜留が困惑した声を上げる。
「何言ってるの…?」
「そっか、忘れちゃったのか」
「あ…あ…」
いきなり激しい頭痛に襲われその場にうずくまる。
「おいっ!明愛、大丈夫か!?」
「め、めい?どうしたの大丈夫?」
亜留と潤羽が私のそばに駆け寄って背中をさする。
「だい、じょうぶ…うっ…うぅ、はぁっ……」
大丈夫なはずなのに何故か上手く息ができず、意識が朦朧とする。
「明愛!めい……」
途中で亜留の声が途切れ目線を上に向けると不気味に笑う祐希の顔。
「ゆう…き……」
【亜留side】
バタッ…。
「明愛!!」
祐希の言葉で何かを受けた明愛が急に倒れる。
必死に声を掛けても反応はなく、仰向けに明愛を起こすが顔色は悪く、汗もかいている。
「潤羽!救急車よべ!!」
「う、うん!!」
隣で明愛を支えていた潤羽に救急車を呼んでもらい、その光景をずっと見ている祐希を睨むが、祐希はそれにひるむことなく不敵な笑みを浮かべて後ろにいた男二人を連れてショッピングモールを出ていく。
なんなんだアイツは…。
数分で来た救急車に明愛が運ばれることになり、俺と潤羽は同行。
「めい…」
俺の隣で明愛の手を握りしめながら涙を流している潤羽に心が痛む。
「なぁ、祐希と明愛はどういう関係なんだ?」
本当は聞きたくないのに静かに潤羽に尋ねる。
すると潤羽は目を拭ってから口を開いた。
「めいと祐希は、元恋人だったの…」
「は…?」
明愛からは聞いたことの無い話だった。
確かに俺は高校に入学する前はこの街から遠く離れた地域に居た。
でも確かに俺が告白したあの時、明愛は俺だけを想ってくれていたと聞いた。
「でも、明愛は中学二年になる頃にトラックとの事故で1部の記憶を忘れちゃったみたいで、その時付き合ってたのが祐希だったの。それから一ヶ月後に一命は取り留めたけど、めいは祐希と付き合ってた記憶を忘れちゃったみたいで。嘘みたいだよね…。」
そこまで話した潤羽の目には涙が溢れていた。
それが本当の話だとしたらなんで今、潤羽と祐希は付き合っているのだろうか…。
そんな疑問が浮かんだがもう潤羽には言わなかった。いや、言えなかった。
「亜留お願い、このことはめいには内緒にして…」
「…うん」
涙を流す潤羽の頭を撫でる。
恋心があるとかそういうのはないけど、友達を大切に思って泣いている潤羽に胸が締め付けられたから。
潤羽が泣き止むまでずっと隣にいた。
そばらくすると、潤羽は泣き止んで家に帰った。
それから数時間して病室のドアが勢いよく開いた。
「亜留くん!」
慌てた様子で病室の戸を開けて入ってきた明愛のお母さん。
おばさんは汗と涙で顔がぐちゃぐちゃになりながらも横になっている明愛に抱きついた。
その光景に胸が苦しくなる。
医者からは軽い呼吸困難で簡単に言えば、今は気絶の状態ということ。
一時的に意識は取り戻すと医師はいっていたけど、1週間は様子見で入院するそうだ。
「明愛…」
寂しそうに明愛の髪をそっと撫でるおばさんの横に座る。
病室のベットで酸素マスクをして目を瞑っている明愛の名前をそっと呼び明愛の手を握りしめる。
どれだけ経っただろうか。
さっきまで見えていた夕日も見えなくなり、あたりは真っ暗。
おばさんは疲れて寝てしまっていて、おばさんの頬には微かに泣き跡がある。
一人娘が倒れて、心配でたまらなかったのだろう。
「んん…?」
ベットに横になる明愛が目をゆっくりと開いた。
上半身をゆっくり起こす明愛は軽く目を擦り、まだ寝ているおばさんを見つめた。
「お母さん…亜留。ここは?」
「病院。大丈夫か?」
「大丈夫だよ。」
俺への気遣いだろうか、明愛はそっと笑顔を作った。
でも明愛の手は震えていて今にも泣きそうな瞳だ。
しばらくの沈黙の後、明愛が口を開いた。
「ねぇ、亜留?」
「ん?どうした?」
視線はずっと下に向いていた明愛は顔を上げて俺をまっすぐ見つめた。
少し無言になったあとで明愛は口を開いた。
「亜留に謝らなきゃいけないことがあるの…」
「聞くよ」
明愛が俺を見るみたいに俺も明愛をまっすぐに見つめた。
【明愛side】
中学生のころ、私は今の潤羽の彼氏と付き合っていた過去があった。
だけど私は、交通事後でちょっとした記憶喪失になってしまったみたいで、祐希と付き合ってた頃の記憶だけがなくなってしまったらしい。
私が事故から一か月後の日、目が覚めるとそこには涙う浮かべた潤羽が全部話してくれた。
ただし、私が祐希と付き合ってた記憶だけ何も触れずに。
潤羽は祐希が好きだったから仕方ないことだと思う。
この話は、中学の頃の同級生に聞いたことだから本当なのかはわからない。
確かに私は、交通事故にあったけど、どうしても祐希のことが思い出せない。
だけど、なんで今私がこのことを知っているかと言えば、祐希が放った一言。
『俺じゃない彼氏』
この一言ですべてがフラッシュバックしてきたんだ。
あの事故の前、その日は祐希とデートしてカフェで話してるとき電話があってカフェの外に出た。
電話に出ようとしたとき、いきなり私の耳にクラクションの音が響いた。
気が付くと私は横たわっていて、大きなトラックと不気味な笑みを浮かべる祐希の顔が視界に入った。
それから私は病院に運ばれて病室で目が覚めた。
私は軽い記憶喪失みたいで、祐希と付き合う前の記憶のまま止まってるみたい。
でもあの日見た祐希の顔、口元は笑っていたけど、目には光が入っていなかったことを私は気味が悪くて仕方ない。
亜留にすべて話し終わると私の目から涙があふれていた。
亜留は何も言わず私を抱きしめてくれた。
「ありがとう…話してくれて…。」
そう、耳元で言ってくれた亜留の言葉に再び涙があふれた。
ぎゅっと強く、強く抱きしめてくれた。
「俺が明愛を守るから…。もう無理すんな」
「うん…。」
大好き、ただ大好きでずっとこうしていたい。
時間なんて止まれって心から願った。


