もう届かない君へ

昨日は、いろんなことがあってなかなか寝付けなかった。
だから、今すごく眠い。

「ふわあ〜〜〜〜〜」

「でっかいあくびだな。」

「っ!圭斗!びっくりした〜」

「よっ!お前がいない間結構暇だったぜ」

「おはよ〜。圭斗は寝たの?」

「んー寝ようとはしたんだけど眠る必要がないというか、眠くならなかったんだよな。」

「やっぱりユウレイみたいな存在だと、眠る必要もないのかな?」

「そうかもな〜」

「じゃ、教室一緒に行く?」

「おー、付いてくわ。」

―――――――
ガラッ
教室のドアを開けると、心乃葉ちゃんはもう来ていた。

「おはよう、心乃葉ちゃん!」

「あ、花純〜おはよー」

「心乃葉ちゃん、あのね聞いてほしいことがあるんだけど、」

「ん?なーに?」

「昨日、話してくれた都市伝説なんだけど、本当だった!圭斗に会えたよ!」

「えっ!本当に?ドッキリとかじゃなくて?」

「私、こんなことドッキリに使わないよー」

「それもそうか。顔も明るくなってるし、本当、なんだね。」

「うん。それに今となりに圭斗いるの!やっぱり心乃葉ちゃんには見えてないよね?」

「隣?そうだね、誰もいないように見えるけど、、。」

やっぱり、他の人には見えてないんだ、、。残念だな、、。

「やっぱり、俺の姿は花純以外には見えないんだな。まあ、逆に俺の姿がいろんなひとに見えるようになったら混乱が起きるもんな。」

「うん。そうだね。」

「え、花純、今一人で喋った?あ、もしかして圭斗くんと会話してた?」

「あ、そっか。心乃葉ちゃんには聞こえないもんね。ヤバい人だと思われなように注意しなきゃ!」

「確かにそれは注意したほうがいいと思う。」

「俺も人がたくさんいるところとかではあんま話しかけないようにするな。」

「うん、ありがとう。」

そんなこんなで、私にだけ見える圭斗との学校生活が始まった。