もう届かない君へ

心乃葉ちゃんの言う通り旧校舎に来てみたけど、ほんとうに人いないな、、。
確か、階段の二階と三階の間にあるって言ってたから、あの鏡のことだろうな。

「わぁ、結構大きいな。」

じゃあ、とにかく試してみますか。

「えっと、圭斗のことを思い浮かべて、鏡を見つめるっと。」

、、、やっぱり何も起こらないか。そうだよね、そんなことあるわけないんだ。教えてもらった心乃葉ちゃんには悪いけど、諦めて帰ろう。

そうして帰りかけたとき、背後で声がした。

「か、すみ、、?」

その声は聞き慣れた圭斗の声だった。
私が勢いよく振り返ると、鏡には紛れもない圭斗が映っていた。

「圭斗、、?ほんとうに圭斗なの?!」

「花純、、俺死んだんじゃ、、。ここは一体、、?」

「ここは、高校の旧校舎なの。都市伝説でこの鏡の前で会いたい人を思い浮かべると、会えるっていうのがあって、それを試してみたの。」

「なるほど?理解し難いけど、俺が今ここにいるってことはそういうことなんだろうな。」

「圭斗、、。会いたかった、、。いきなりいなくなっちゃうんだもん。」

「ごめんな、悲しませて。でも、また会えて良かった、、」

「うん、、。そういえば、圭斗はが鏡の外に出てこられるの?」

「えっと、こうかな?お、出れた!」

「そっか!じゃあ一緒にいられるね!とりあえず、今日は遅いから家に帰ろう?」

「ああ、そうだな。帰ろうか。」