いつか永遠の眠りにつく日まで

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朝日が眩しい。今日もルチェルナはいい天気に恵まれそうだ。

例え、これから血にまみれようとも。



「来るぞ。」



ポツリと、隣の騎士団長が呟く。

馬に跨り隣にいたマーテルは、こくりと頷いた。左腰の剣の柄に手をかけると、それをギュッと握り締める。


(リーリア。)


リーリアを攫った、デネブリスの国王レオ一行が、ゴルディス山脈を西側からではなく東側から、それも船で越えたことが分かったのはつい先日だった。


リーリアがデネブリスに攫われたことを国民に公表すると、港町の人間が名乗りを上げたのだ。

デネブリスの船が港に停泊するのを見逃した、と。


そこで港町の警備を強化したところ、網に見事デネブリスの密偵が引っかかった。


密偵の男は口を割ろうとはしなかった。そこで開戦の旨を文に書いて、デネブリスへ届けさせた。

その後、密偵の男はついに口を割った。


そして告げられたのは今日の朝、ここ…デネブリス山脈に大穴を開けるということだった。


密偵の男が言うには、デネブリスは何年もかけて、ゴルディス山脈に穴を掘ってきたらしい。

そして今日、その穴を完成させるため爆発を起こし、穴を通ってルチェルナへ進行するという。


音は先程から聞こえていた。


そして今、目の前の壁が崩れ落ちた。黒煙が立ち上る。

開通したトンネルを、こちらへ抜けて来たデネブリス軍を一気に叩く。奴らはこの待ち伏せには気が付いていないだろうし、何より明転でしばらくは目が効かないはずだ。



(リーリア。必ず、お前を無事にルチェルナへ連れ帰る…!)



マーテルは剣を抜くと、すっと構えの姿勢を取った。