いつか永遠の眠りにつく日まで

抱き枕代わりだろうか、複数ある枕のうち1つを抱きかかえたリーリアは、すやすやと気持ち良さそうに眠っていた。

レオは思わずふっと笑みを零した。


その頬に指を滑らせると、気持ち良さそうにリーリアの表情が崩れる。


(リーリア。)

心の中で、リーリアに呼びかける。


リーリアへの想いの答えを見つけたのは、今日城下へ降りていたときだった。


駆け寄るフランと、それに縋るリーリア。

感じたのは、嫉妬、悔しさ、そして悲しみだった。


リーリアは、ルチェルナから自分を攫った俺を許さないだろう。

そしてこのまま戦争になれば、リーリアはいよいよ俺を憎み、ルチェルナに帰ろうとするだろう。



__『私は身も心も、あなたに屈したりはしません…! 必ずルチェルナへ帰ります!』



その言葉が、頭の中で木霊する。

俺はリーリアを手放すつもりはない。そして国民のためにもこの戦争、負けるわけにはいかない。


後には引けないのだ。俺はただ、前へ進むしかない。


リーリアの顔にかかった髪を指でそっと払い除けると、その頬に指の背を這わせた。

そしてそっと椅子から立ち上がると、部屋の扉へと向かった。


(俺とお前が、一国を背負う立場でなかったなら。)


何度そう考えただろう。

けれど今更足掻いたところで、そればかりはもうどうにもならないことだった。


レオは書斎へ戻ると、再び公務に取り掛かった。ジャスティアの姿は、部屋にはもうなかった。