いつか永遠の眠りにつく日まで

「それは聞けない。」

「ならば、私にこのような扱いをするのは止めて下さいませんか。」



私は震える拳をキツく握り締めて、レオ様をキッと睨みつけて言った。



「私は身も心も、あなたに屈したりはしません…! 必ずルチェルナへ帰ります!」



そう言い放つと、レオ様はすっとそのお顔から表情を消した。

ただその瞳だけは、悲しみを映していた。


私は震える唇をギュッと噛み締めた。そうでないと、何かが溢れ出してしまいそうだった。


これはレオ様への宣言であり、私自身への決意表明だった。



「……。」

「……。」



長い沈黙が訪れた。


私たちはただ見つめ合いながら、恐らくお互いにその胸に沢山の思いを抱えていた。

けれど、私はルチェルナの姫で、レオ様はデネブリスの王で。


越えてはいけない一線が、そこにはあるから。私たちは互いに心を許しきれないまま、ただこうして言葉を発することもできずに、見つめ合うことしかできない。


沈黙が重く苦しくて、視線を先にそらしたのは私の方だった。

顔を俯けるとそのままレオ様に背を向けた。



「出て行って下さい。」



そう言った声が、震えていた。