いつか永遠の眠りにつく日まで

目を覚ますと、私はふかふかのベッドに横たわっていた。

頭がガンガンと痛くて、おまけに身体も怠く、起き上がるのは無理そうだった。



「お目覚めですか。」



声を掛けられ、目だけを動かしてそちらを見ると侍女の格好をした少女が立っていた。

非常に可愛らしい少女だったが、無表情かつ事務的でなんだか近寄りがたさを感じた。



「まだ熱が引かないようですね。」

「あ、なたは……？」

「デネブリス城の侍女長を務めております、リディと申します。」



デネブリス城の侍女長…ということは、ここはデネブリス城なのだろうか。


目だけを動かして部屋の中を見回してみる。

確かに、ここ数日宿泊した宿に比べてずっと華やかで豪華かつ広い部屋だった。



「何か食べられそうですか？ 食べ物をお持ちしますが。」

「今は、少し厳しそうで…。」

「左様ですか。では、水分だけでも採って下さい。」



そう言って私の頭の下に手を差し込むと、私の頭を少し持ち上げた。

口元に飲み物を持ってきてくれると、私が飲みやすいようにしてくれる。



「ありがとう。」



今できる精一杯の笑顔でそういうと、リディは１つ、こくりと頷いた。