いつか永遠の眠りにつく日まで

恐らくそのすべてだと感じたレオは、少しムッとした。

(あのマーテルとかいう奴が相手だったら、もう少し素直なんだろうか。)


そう思いながら、リーリアの身体をギュッと抱き締めた。



「レ、オ、様…。」



リーリアは少し苦しそうだったが、それでも声音は心なしか嬉しそうだった。

リーリアはレオの首元に顔を埋めると、そのまま再び眠りに落ちた。


レオはリーリアが眠ったのを確認すると、そっとその頬に触れた。


(熱い…。)



「レオ様。」



その時、背後で女性がレオを呼んだ。

振り返ると、侍女長を務めるリディがいた。彼女は恐らくリーリアより年下だが、非常に優秀な人材だった。



「客室の用意が整いました。お部屋はレオ様の書斎に1番近い、西棟の5階です。」

「急ですまない。」

「いえ、滅相もございません。私はその方の看病の用意をしてから行きますので、先に行ってらして下さい。」



事務的にそう言うと、リディはぺこりとお辞儀をし、踵を返した。

レオはリーリアを起こさないようゆっくりと立ち上がると、階段を西棟の5階まで上がって行った。