いつか永遠の眠りにつく日まで

城へ着くと、リーリアを抱えたレオは出迎えの者を無視して通り過ぎ、急ぎ暖炉のある部屋へと向かった。

暖炉に火をくべさせると、リーリアを抱えたままソファに腰掛けた。


後ろでジャスティアがまたしてもテキパキと城の者に指示を出していた。



「う、ん…。」



眉間にシワを寄せながら、リーリアが微かに目を開けた。



「リーリア。」



肩で荒く息をするリーリアは、どうやら意識が朦朧としているようだった。

その様は見ていて非常に辛いものだった。



「レオ、様…? なん、だか、すごく慌てて…。」



そう言われて、レオはハッとした。

冷静になってみると、確かに異常に慌てた自分がそこにはいたからだ。


なぜこんなにも慌てているのか、自分でも分からない。けれどそれ以上に、リーリアがただ心配だった。



「…そんなことは気にしなくていい。辛くはないか。」

「大丈夫、です。」



そう言うと、リーリアはか細く笑んだ。

けれど言葉とは裏腹に、身体が微かに震えていることにレオは気付いた。


遠慮をしているのか、気を遣っているのか、それとも弱みを見せまいとしているのか。