いつか永遠の眠りにつく日まで

翌朝、まだ日も登り切らないような朝方に私たちは出発した。

連日の疲れもあって、私は朝食の味が分からない程の異常な眠気に襲われていた。


(眠すぎてもう駄目…。)

身体に巻きつけたマントをしっかりと巻き直すと、私は顔を俯かせてそっと目を閉じた。



「予定通り、夕方頃には城に着くはずです。」

「5日か。やはり海を行くのはいい案だったな。」

「ありがとうございます。」



そんな会話が聞こえてきた。

通常なら6日かかるらしいところを5日に短縮できたのは、やはり山を越えなかったところに要因があるらしい。


私はといえば、むしろこの大陸を1週間もあれば縦断できてしまうということに驚いたのだが。

地図で見るこの大陸は、私たちの手に負えない程大きいように感じていた。


けれど実際、大国であるデネブリスだって3日も馬を走らせれば縦断できてしまうのだ。

そう考えると、思ったよりも世界は小さいのかもしれない。


(とはいえ、私の知る世界はそれ以上に狭かったのだけれど…。)


城の外に出て痛感したのは、自分がいかに世の中を知らないかということだった。

やはり、座学だけでは限界があったようだ。