いつか永遠の眠りにつく日まで

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マーテルは城へと戻ると、急ぎ王の元へと向かった。



「リーリアは。」

「申し訳ありません、途中で見失いました…。」



王の御前で跪いていたマーテルは、悔しさのあまり拳をキツく握り締めた。


あのとき、もっとリーリアを引き止めていれば。

そう後悔して、後悔して。後悔したところでどうにもならないことは重々承知していたが、それでも後悔せずにはいられなかった。



「そうか…。」



王は手に持った紙を眺めながら、何かを思案するように、ふうと溜め息を1つ吐いた。

マーテルは、思い切って王に尋ねた。



「あの、“レオ”という男は…。」



王はマーテルに少し目配せをした後、すぐに手に持った紙に視線を戻した。

そして、ふっと笑って言った。



「勘の良いお前ならもう気付いているだろうが、あれはデネブリスの現国王だ。」



やはりそうだったか。

服や雰囲気から察するに、来賓の中でも身分の高い人間であることはすぐに分かった。


けれど彼が王であることには、正直自信がなかった。



「リーリアを攫ったのはやはり奴だったか。」



マーテルが頷いたのを認めると、王は可笑しそうに笑い始めた。