いつか永遠の眠りにつく日まで

「そう。レオ様こそ、あなたの想像通り。デネブリスの現国王です。」



またしても、サラリと言ってのけるジャスティア。

私はあまりのショックに、全身の血の気が引いていくのを感じていた。


(そんな…。)

よりによって、デネブリスの王だなんて。



「いつ気が付くかと思っていたが…。」

「平和ボケもここまでくると重症ですね。」

「っ…、なんの目的があってこんなことを…!」



そう問うと、レオ様は私を真っ直ぐに見つめた。

一方のジャスティアは、そんなレオ様を伺い見ている。



「…分からない。」

「え?」



想定外の答えに、私は気の抜けた声を出してしまった。



「分からない…って…。」

「だが、死なせるには惜しいと思ったんだ。」

「……どういう…。」



嫌な予感がして、心が騒つく。

と丁度その時、馬車が停車した。そして外から馬車の扉が開けられた。



「今日はここに泊まります。もうじき夜も更けますから。」



ジャスティアにそう言われて、開け放たれた扉から外を見ると豪華な建物が建っていた。

(これは、恐らく…。)



「王族専用の、宿泊施設です。」



私はもう、逃げられないのかもしれない。